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第1回明神山烽火上げレポート

第1回明神山烽火上げレポート

【開催日時】11月12日(土曜)
【開催時間】10時、11時、13時、14時 計4回実施
【天候状態】晴れ
【気温】  最高19.1℃(11時59分)最低8.5℃(6時43分)
【湿度】  平均77%最小45%(12時24分)
【風向】  北北西 平均風速1.4m/s 最大風速3.7m/s

 

 

この日は朝から快晴だったものの、朝靄が立ち込めて見通しはさほど良くありませんでした。しかも明神山近くにある香芝市と王寺町のゴミ処理施設である美濃園の煙突からは冷え込んだ空気も影響してモクモクと煙が立ち上がっていました。

明神山風景

 

 

そんななか10時が近づいてきたので烽火を上げるために着火。今回の烽火では、山火事防止のためもあって露出で焚き付けるのではなくて、ロケットストーブという構造の煙突を使っています。ドラム缶をつなげた煙突下から横方向に燃焼させる筒を取り付け、筒口を開け閉めすることで煙突内に入る空気量を調節し、炎の勢いを強めたり弱めたりします。煙を出すために焚き付けるのは奈良県川上村から取り寄せたスギ・ヒノキの青葉です。

 

 

のろし台

 

 

ところが、烽火をあげるスタッフもみんな初めの経験。広島県や長野県で実施されている狼煙行事を視察して目では理解できているとはいえ、どのくらいの枝葉を入れ、どのくらいの炎を回せばどの程度の煙がどのように、どのくらいの時間上がってくれるのか、誰も知りません。そのため1回目と2回目は手探りでした。結果、煙もやや大人しめで山頂に吹き込んでいた風に流されることもしばしば。そのためもあってか美濃園からの煙を明神山からの烽火と勘違いしてしまう人も多かったようです。烽火を確認しようと各所にスタンバイしてくれていた人たちからも「うーん、靄もかかっているし、よく見えないなぁ」との知らせが。

 

 

烽火上げ

 

 

午後からの3回目と4回目。靄もやや晴れてきて、烽火担当スタッフみんなであーでもない、こーでもないと言い合ったおかげで、何となくコツもつかめてきました。空気を目一杯取り込んで勢いよく炎を回せば、煙突内で気流が生まれ、その気流に乗って煙が上方に飛び出て行きました。焚き付けのスギ・ヒノキもドラム缶の中に詰め込みすぎず空き過ぎず。適度に空気が通る感じでたくさん詰めると煙が多く出ます。

 

 

烽火

 

 

その甲斐あってか、午後からは各所にスタンバイしている方も良く見えたようです。おかげさまで「明神山烽火MAP」にも写真をたくさん投稿していただきました。奈良県主催の壬申の乱ウォークが高安山駅から信貴山下駅のコースで開催されており、ウォーキングの人たちにも見ていただくことができました。ありがとうございます。詳しい分析はまだまだこれからですが、信貴山、龍田大社、平群町、安堵町、ラスパ西大和など明神山から5〜6km圏内ではしっかり確認できたようです。 明神山からの烽火は飛鳥時代に外敵が侵入してきたことを飛鳥に知らせることを想定しています。しかし、この日は特に飛鳥方面の靄が午後からも十分に晴れず、肉眼では明神山から8kmほどの曽我川で確認できた程度で、甘樫丘やミグランス橿原からも多くの人がチャレンジしましたが、見えなかったとのことです。他に若草山や郡山城跡などにスタンバイした人もいましたが、残念ながらこちらも見えなかったようです。

 

 

▼明神山烽火MAPはこちら

視認MAP

 

 

奈良時代の律令では約20kmごとに烽火台を置くと規定されています。1回目の成果によれば、天候に大きく左右されることがわかったので、5km間隔くらいで烽火台を設置したか、あるいは靄のかかっていない方角のルートで烽火をつないでいけるように複数ルートが用意されていたか。そんなことが考えられそうです。

さぁ、次は12月15日(木曜)です。小中学生に学校から見てもらえるように平日に烽火を上げます。①11時、②12時、③14時からの約15分間と、12時30分からは1時間ほど断続的に上げられるようにします。大和の西から飛鳥へ。どこをどんなふうに烽火リレーしたのか想像を働かせてながら各所に趣き、明神山からの烽火の写真を撮って投稿してください。これであなたも歴史の証言者です。

そうそう。1月7日(土曜)には明神山から飛鳥の甘樫丘へ烽火をリレーする試みも行います。先日のような天気では明神山と飛鳥で直接視認するのはかなり難しそうです。中継地となり得る明神山と飛鳥の甘樫丘の両方が見えるポイントを探し出して、こっそり教えていただけるとうれしいです。

 

 

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